若手おいさんの日記

よく食べ、よく飲み、マイペースで生きましょう。

ぼーっとするのは難しい

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今日から5月。大津では最高気温が25.2℃に達し、初夏の陽気となった。桜が散ると町並みには緑色が増え、降り注ぐ陽光はあらゆる生命に活気を漲らせる。

夕暮れ時、買い物ついでに湖畔を歩いてみた。ここであることに気づいた。

すっかり見慣れた琵琶湖の風景だが、「立ち止まってゆっくり眺める」という行為を、これまで一度もしたことがない。

いつも自転車を漕いでいるか歩いているか写真を撮っているか、つまり、何かをしながらその姿をほぼ横目で見ていたのだ。写真を撮るという行為は一見その被写体をじっくり見ているように見えるが、意識は「写真を撮ること」に集中しているので、琵琶湖とじっくり向き合っている状態であるとは到底言えない。

ということで、湖畔のベンチに腰掛けてぼーっとすることにした。ちょうど凪の時間、湖面も穏やかそのもの。ぼーっとするにはベストな環境である。しかし、やってみるとわかるのだが、ぼーっとするのは容易いことではない。頭の中を空っぽにするのは至難の業である。昔はこんな風ではなかったと思うが、歳を重ねるごとに背負う荷が増え、それらに脳みそを支配されているのかもしれない。慢性的な妄想がつまらぬ悩みへと繋がり、ありもしないことで勝手に苦しんでいるのではないか。そんな哲学じみたことに思いを馳せる。

考えてみれば、日本一大きな湖に対峙してぼーっとできるのはとても贅沢だと言える。琵琶湖が形成されたのは400万年以上も前のこと。その姿をこうして見つめるということは、地球の歴史と向き合っていると言っても過言ではなかろう・・・と、これもつまらぬ妄想だったか。

目の前の湖面を1羽の鴨が泳いでいた。誰かを呼ぶような声でしきりに鳴いていたかと思えば、じきに別の1羽と合流。2羽は少しの距離を置いて仲睦まじそうに湖面を滑り続けた。

2020-5-1