〇導入
日本の缶ビール界におけるトヨタ・センチュリーのような位置づけだと私は勝手に理解している。
エビスビールの特徴は、それが麦とホップだけで醸し出されているとは到底想像することのできない突き抜けるような芳香と、どこまでも優しい日本的な味わいにある。金色のノーマルエビスでさえそんな素晴らしい体験をさせてくれるわけであり、マイスターはそのさらに上をいく存在ということだから、酒好きは期待を膨らませざるを得ない。
ところで、同じような性格の商品にサントリーの「マスターズドリーム」がある。缶ビール界の日産・プレジデントだ。あれもかなり美味いのだが、最低でも税抜300円/本くらいする。一方の「エビス マイスター」だが、近所のスーパーでは税抜218円/本で売っている。ノーマルエビスとの価格差は5%も無い。素晴らしい。サッポロの心意気に感謝と感動しかない。ありがとう。
〇味わい
とても良いホップの香りがする。ノーマルエビスよりも香りの芯が強くなった。優しさも円熟味を増している。これまでのエビスとは別物であるが、間違いなくエビスである。飲んで静かに微笑んでしまうような味わいである。ぜひコップに注いで飲んでほしい。缶から直接飲んでもみたが、香りの開き方が全然違った。
このレベルの商品を安定的に生産するメーカーの技術力と、それを全国に流通させるサプライチェーンに対する感謝の念を禁じ得ない。
2020-5-20