由良川橋梁で2時間ほどの撮影を終えた私は、再訪を誓って帰路に就くことにした。この後11時ごろまで残れば観光列車「あかまつ」を撮ることもできたのだが、そうすると帰りの列車までの時間がかなり空いてしまい、さらに1時間近く待つ必要が生じる。さすがに絶景とはいえ、この炎天下で目的もなくただボーっと海を眺め続けるのは苦しいと考え、色とりどりの観光列車は次回に持ち越すとして、潔く琵琶湖のほとりへ帰巣することにし、丹後由良駅まで戻ってきた。
帰りもまた青いKTR700形の列車にあたった。富士重工製の気動車は、国鉄から移管された非電化第三セクターでよく見られるが、新型車両への置き換えが進み、徐々に数を減らしているようである。どこの会社も形式名は違えど顔つきは似ているが、ここ京都丹後鉄道を走るKTR700形の特徴は、おでこに付いた前照灯と弧を描くような丸い屋根である。他の会社のものに比べて、ずいぶんと可愛らしい印象を受ける。
ちなみに、こういう単行運転のできる気動車だと18mそこそこの長さであることが多いが、このKTR700形はしっかり20mある。外から一見しただけではわからないが、後ドアから乗車して前方を見渡したときの奥行きでその長さを体感することができる。
青い日本海と白い砂浜が見える。水面から線路までが近いので、およそ列車に乗っているとは思えないほど海を近くに感じた、宮舞線の個人的ハイライト。もっと素敵なビュースポットがあるかもしれない。
・・・ここからはおまけ。
①の記事でも触れたが今回はQRコードを使って列車に乗ってみた。「WILLERアプリ」なるものをスマホにインストールし、クレジットカード等の簡単な情報を入力するだけで誰でも使うことができる。丹鉄は交通系ICカードこそ使えないものの、これさえあれば現金がなくても列車に乗ることができるので便利。
使い勝手は、ちょうどコンビニ等でQRコード支払いをするのと同じ感覚。キャッシュレス支払いに慣れている人は何の抵抗もなく使えると思う。
QRコードの読み取り機は列車内の乗降口付近にあるが、有人駅で乗り降りする場合は改札口に備え付けられた読み取り機があるので、そこにスマホの画面をかざせばOKだった。反応もスムーズで、エラーが起きることも無く、FeliCaも便利だけど「これでいいじゃん」という感じだった。汎用性の高いシステムだから、資金に余裕の無いローカル私鉄でも導入のハードルが低そうだと感じた。もっと普及するといいなぁ。
おわり