朝晩すっかり涼しく涼しくなり、夏はいつの間にか去ってしまった。日本人が刹那に美しさを見出す感性を持っているのは、四季の移り変わりがあるからかもしれない。今を大切にできるのは、それがいつか終わってしまう現実を、日常生活において自然と実感しているからに他ならないのではないだろうか。
この写真は11年前のカット。久大本線にて。昔撮った写真について思いを綴るのはなかなか難しい。当時の記憶は断片的で、どのようなことに思いを巡らせたのか、何を考えたのかも今となってはあやふやである。
だからこそ、なるべくリアルタイムに自分の心の動きを何らかの形で記録しておくことが大切なのだろうと思う。それこそまさに一瞬で、刹那なもの。過去の写真を見返しながら、ふとそんなことを考えた。