仕事が忙しくなくなってからというもの、秋晴れの下で張り切って趣味活動に興じる充実の日々を勝手にイメージしていたのだが、結果、青空が広がったのはウィークデーだけで、土日のたびにどんより雲に覆われるという皮肉な週が続いていた。お天道様も少しは思いやりというものを備えてほしいものである。
それはそれで読書なり勉強なりに打ち込むことができるから、確かに何かで満たされている感はあるのだが、精神や脳のリフレッシュという点では最悪で、天気の悪さもそれに拍車をかける悪循環に陥っていたように思う。やはり、外に出て開放的な気分に浸るのは、私が生活する上で欠かせないルーティーンらしいことを痛感させられている。
で、ついに今日は晴れた。雲は多かったがこれだけ青空を望むことができれば十分。安土あたりで5087レでも撮ろうかと思ったが、久しぶりの好天、やっぱり自然を感じながら撮影をしたい。そう考えて訪れたのは近江鉄道の沿線である。土と草の匂いを嗅ぎながらローカル列車を眺めることは、心の栄養補給である。忘れてならないのは、こういう活動は1人だけでのんびりとマイペースでやるということだ。
PENTAX KP + smc PENTAX-M50mm F1.7
F5.6 1/320 ISO-100
今日訪れたのは万葉あかね線。晩夏以来、およそ1ヶ月半ぶりの再訪である。あの頃は色づいていた稲もすっかり刈り取られていたものの、二期作なのか不意に落ちた実が発芽して勝手に育っただけなのかはわからないが、季節外れの青い稲が一面に広がっていた。秋の空気の中を“赤電”が駆け抜ける。ラッキーなことに、今日は近江八幡～八日市のピストン運用に入っていた。
ここは単線なので、30分に1本のペースで比較的効率よく撮れるのが嬉しい。近江八幡駅からそう遠くない点も良い。季節の移り変わりを感じるにはちょうど良いポイントである。
―つづく
＜参考過去記事＞
