季節外れの水稲に囲まれて走る赤電を撮った後、空には雲が増えてきた。元々西の空には厚い雲が垂れ込めていて、それが風に乗って流れてきたようだ。晴れたり曇ったり、難儀である。風景や街角をスナップするならシャッターチャンスをある程度待つこともできるが、動く列車を相手の場合そうはいかない。よほどのことが無い限り、予め定められた時刻通りにやって来るからだ。それが最大のメリットでもあるのだが、こういう天気の下で撮影する者にとっては、精神衛生的に良いものではない。…まぁ勝手な話である。
近江八幡駅で借りた自転車を走らせていると、ピンクと白の集団を見つけた。秋桜である。こうしてじっくり秋桜を眺めるのも本当に久しぶりのこと。バックを行くのは黄色い800系。明るい色の電車はこういう風景によく合うから好きだ。
1枚目の列車が折り返してきたところ。タイミングよく太陽が顔をのぞかせてくれた。小春日和と呼ぶには暖かすぎたが、柔らかな光の中をパステルイエローの列車が駆けて行った。
<参考過去記事>