ずっと前からその存在に気づいてはいたのだが、特に理由があるわけでもなく、なんとなく機を逸して、撮り終えたまま放ったらかしていた135フィルムがあった。写っているのはおそらく列車だろうと見当がつくが、いつ・どこで・何を撮ったものかは全く憶えがない。
しかも、ずいぶんと年月が経っている。PROVIA 400Xが生産されていたのは2006年から2015年までの間だから、少なくとも6年近くは前のものであることはわかった。で、最近またバケペンで写真を撮るようになり、120フィルム2本を現像に出すのに併せ、ついにこのタイムカプセルを開けてみることにした。
現像を依頼してから1週間、フィルムが返ってきた。変退色は認められるものの、幸いなことに、何枚かは鑑賞に耐えられる程度で生き残っていた。そして、各コマをどのようなシチュエーションで撮ったのかを徐々に思い出してきた。
せっかくなので、この場で振り返っていこうと思う。
2011年2月、当時大学生だった私は春休みを利用して帰省していた。九州新幹線鹿児島ルートの博多開業を翌月に控え、日豊本線に残る485系も定期運用から退こうとしていたので、当時の“ブログ友達”の方と一緒に、大分県南エリアで最後の日常を撮影しようと出かけたのであった。
国鉄色も良いが、私はやっぱりこのRED EXPRESSカラーの方が好きだ。