“亀山配給”と言えば、近畿地区に住む鉄道ファンの間では名の知れた存在である。
亀山鉄道部に所属するキハ120は、検査等で網干や米子にある車両工場との間を定期的に往来する必要があるが、その配給列車のことを指す呼び名だ。
配給という文字からもわかる通り、工場に出入りする車両は自走するのではなく、他の機関車に牽かれることになる。そのエスコート役を務めるのが原色のDD51であるため、これが走る日には沿線でカメラを構える人の姿が増える。特に関西本線の非電化区間が撮影スポットとして人気のようだ。
この写真を撮った日、私は5087レの撮影を終えて帰宅し昼食を摂ったが、午後遅くの良い時間にこの列車が走るとわかったので、暖かな冬の陽光に照らされるその姿を期待して、再び自転車に跨り瀬田川までやって来た。
いつもは顔が見えるアングルをとるが、この配給列車はサイドから撮るのが美しい。穏やかな空と水面の間を、想像よりも速いスピードで駆けて行った。