若手おいさんの日記

よく食べ、よく飲み、マイペースで生きましょう。

210611_瀬田川を渡る443系

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PENTAX KP + smc PENTAX-DA 35mm F2.4 AL

F5.6 1/640 ISO-100

 新幹線にドクターイエローがあるように、在来線にもそれと同じ役割を担う事業用車が存在する。例えばその1つがこの443系電車だ。今日はこれが近所を走るというので、瀬田川まで出かけてきた。

 塗り分けこそ違うが、小豆色とクリーム色の組み合わせは往年の急行型電車と同じもの。加えて、側面の窓もきっと同じ規格のものだろう。一方で顔つきは、485系特急型電車とそっくりである。私は日豊線で475系や「にちりん」を眺めてきたが、その2つが折衷されているような気がしてなんとも不思議な感覚に陥る。

 443系は国鉄時代に2編成が製造されたが、分割民営化後は第1編成をJR東日本が、第2編成をJR西日本が継承した。第1編成はとうに鬼籍入りしており、我が国に残るのは写真の第2編成のみとなった。

 いつかの記事にも書いたように、膨大な固定資産を持つ鉄道会社にとって、それをなるべく効率的に運用して利益を上げることが最も重要な経営課題の1つである。そういう意味では、営業列車に搭載した比較的コンパクトな装置で日常的に検測したデータに基づくCBMが普及しつつあるトレンドに鑑みるに、443系のような検測専用の電車はもはやオーバースペックで非効率な存在、と見ることもできる。

 しかしながら、大掛かりな装置でないと見抜けない穴もきっとあるだろう。製造から50年近くになる443系が第一線を退くことはあっても、検測専用の事業用車というカテゴリ自体が無くなるのは、まだ先のような気がする。