浜寺駅前に到着後はすぐに今来た道を戻ることにした。往路で気になった住吉鳥居前で下車。アングルを探していると、神ノ木方面から無骨なデザインの電車が「貸切」幕を掲げてやって来た。予想だにせぬモ166の登場に独り勝鬨を上げる。
モ161形の登場はなんと1928年。我が国で定期運用を持つ電車として最古の形式である。今どき珍しい“非冷房”であるため、夏の間は車庫で寝ていて、貸切列車としての用命が舞い込んだときのみ、こうして本線上に姿を現すらしい。つまり、この日の私はとてもラッキーだったということである。
なお、同形の初号機にあたるモ161は、クラウドファンディングで募った資金を使って修繕が行われることになっている。その旨を知らせる中吊り広告も度々目にした。
永く活躍する車両は地域のアイコンである。100歳を超えてもなお元気に走り続けてほしい。