2021年ラストデー。趣味活動の締めくくり方については数日前から思案していた。そこに再びの雪予報。結局、去年の大晦日同じく、雪の米原駅で東海道新幹線を撮る案に落ち着いた。今回は早起きして朝から現地入りする気の入りようである。
今朝の大津市南部では清々しい青空を見ることができた。遠く東の空には「さぁ雪が降りますよ」と言わんばかりの厚い雲が帯を成してべったりと張り付いている。きっとあの雲のある辺りまでが雪のよく降るエリアなのだろう。
自宅から最寄り駅までの道中でも雪がちらついていた。小さな氷の粒が顔に当たると、そこだけしっかり冷たい。いかにも冬らしい凛とした空気の中、勤めの格好で駅へ吸い込まれる人の姿が思いの外多いことに気づく。
普通列車で比較的ゆっくりと米原を目指す。安土のトンネルを抜けると、いよいよ雪が出てきた。彦根まで来ると景色はもうすっかり雪国のそれで、まるで2021年が冷凍保存されようとしているかのようだった。
終点・米原では一旦出場して入場券を買い求める。新幹線のりばへ向かうと、大きな屋根を掻い潜った雪がプラットホームにまで舞い込んでいた。
結局、朝8時半頃から10時過ぎまでしっかり楽しんだ。途中、雪が強く降ったりと思えば雲の合間から陽光が射すこともあり、明彩の移り変わり激しい2時間弱はとにかく飽きなかった。それというのもやはり、東海道新幹線の車両形式が統一されており、同じフォルムが刻一刻と表情を変えてくれるからだと思う。
帰路。8両編成の普通列車は立ち客が出るほどの盛況だった。新快速が大雪によるダイヤ乱れを警戒して野洲より東で区間運休していることが理由らしかった。下りの新幹線から乗り換えると思しき人たちは、寒風を嫌ってかホームに降りずコンコース内で佇んでいた。
昨年同時期に比べれば、COVID-19の感染状況はずいぶんと落ち着いてきた。長く辛いトンネルの出口が見えつつある。今日の撮影中や帰路車中では、大きなスーツケースや旅行鞄を抱えた人々の姿を多く見かけた。大切な人と過ごす久しぶりの年末年始をくれぐれも楽しんでほしい。
人の願いや夢を乗せて走るところに鉄道というシステムの魅力がある。これに関わることを来年以降もライフワークとして続けていけたら幸せだと思う。
みなさんも良いお年をお迎えくださいませ。