大津の街から百貨店が消える。西武大津店は今日が最終日。20:00をもって44年続いた歴史にピリオドが打たれた。大阪や京都にある百貨店群と比べれば確かに小規模なものだが、それでも中に入れば匂いから音からきちんと百貨店しており、干渉しすぎないホスピタリティはローカルに洗練されていて、個人的には非常に好ましいものだった。
大津の街に越してきて以来、西武大津店には大変お世話になった。週末には妻と一緒によく買い物に出かけたし、ちょっとしたご馳走のときにはいつも利用させてもらった。そんな日常の詰まった店が閉店すると、まるで思い出も共に消え去ってしまうような気がして、こみ上げるものがある。
この開放感あふれる欧風な造りには心の余裕が感じられて好きだった。
2Fのバルコニー。いつもここを通る人は皆無だが、今日ばかりは最終日ということもあって、カメラを抱えた人を何人も見かけた。私もその1人。
百貨店のタクシーのりばって良い。色んなゆとりが感じられる。
さて、この記事を書いているうちに閉店時刻を迎えてしまった。もうこの建物に明かりが灯ることはない。報道によると、跡地にはマンションが建つらしい。大きな商いの灯火が消えるのは残念なことだが、新しい大津のまちづくりにも期待したいと思う。