千早口駅の周辺は住宅と森と田んぼが主なので、それだけを見ると列車の本数は少なそうに見えるが、上下それぞれで概ね30分に1本のフリークエンシーが確保されているので、こうして沿線で構えていても退屈するということはない。むしろ、周りの環境に目をやる余裕ができてちょうど良いとさえ思える。
南海高野線には特急列車も走っている。その名も「こうや」。ストレートで良い。先頭車は流線形をしていて、大窓のおかげで良好な眺望が期待できる。最近の特急列車に見られるような華やかさはないものの、そのスタイルを一見すれば、この列車が乗る人を非日常へ連れて行ってくれることがわかる。橋本~極楽橋の急こう配・急カーブに対応するため、全車両にモーターを積み、車両長も17mと短く造られている。このフェイスに愛称幕を搭載しようと考えた開発者の心意気が素晴らしい。
朝晩秋らしくなったと思ったら、コスモスが咲いていた。コスモスは穏やかで良い。
―つづく