麦秋とEF65型を組み合わせて撮るという自分勝手なミッションはとうに達成した、などと昨日こそ書いたばかりだが、車窓から見える麦畑はさらに色が抜けて黄金に輝いており、そうか麦秋とは本来このような色だったと思い返されるほどに見事だったので、田植えの済んだ水田の中を行くPF型を思い描いてやって来た安土の地で、今日も懲りずに麦の穂と絡めたアングルで構えることにした。
陽射しこそ夏のそれだったが湿度は低く、どこまでも爽やかな風が吹き渡っていた。誰もいないので、マスクを外して思い切り息を吸い込む。ああ、そういえば日本はこんな匂いだった。