昨日から府県を越えての移動が許された。事実上の“コロナか落ち着いた”状態とも言えるが油断は禁物。無理のない範囲での感染防止対策に努めよう。
さて、今日の話である。今日は梅雨時に貴重な晴れ。午後の早い時間までは薄曇りといった空模様だったが、終始空気が湿り気を帯びることはなく、昨日までしとしと雨が嘘のような爽やかさであった。
最近は鉄道のある風景を趣向していたが、久しぶりに編成写真を撮りたくなった。となると、列車のバリエーション豊かな路線が良い。ということで、いつもよりも少し足を伸ばして近鉄電車と触れ合ってみることにした。あの会社の魅力は大柄な車両と有料特急の面々にある。ユニークな哲学の実践を感じ取れるところがいい。また、京都線では京都市交通局と相互乗り入れもしているので、アルミ無塗装が渋い10系を捕まえることができるのも魅力的だ。
ところで、追加料金が必要な特急が走っている私鉄は本当に良い。本州の鉄道事情に殊の外疎かったかつての私(今も無知に等しいが)は、特急券無しで乗るのことできる優等列車がこの世に存在することを知った時に大変驚いた。
しかし、そうした類の特急・急行はえてして各駅停車と同じタイプの車両を使っているので、鈍行に比べて勝ることといえば到達時間の速さだけであった。なるほど速さだけでは人から金を獲ることはできない豊かな時代なのだな、と生意気に悟ったのを覚えている。
1/400 F5.6 ISO-100
早速、京都市交通局の10系がやって来てくれた。地下鉄烏丸線から直通する急行・奈良行きの運用である。そのスタイリングは、かつて東京メトロ千代田線で活躍していた6000系を想起させる。こうした武骨だが隙の無いデザインこそ機能美と言うのだろう。
今日はあいにく太陽が隠れたタイミングでシャッターを切ることになったが、降り注ぐ陽光の下を疾走する姿を写真に収めたい。ここはリベンジしよう。
同じく地下鉄烏丸線からの乗り入れだが、こちらは近鉄の3200系。その警笛音はまるで自動車のクラクションのようで、烏丸線の駅で電車を待っていると結構な頻度で耳にすることができる。
これは“シリーズ21”と言うらしい。見ての通り比較的新しい車両で、亜種が多いためこの呼び名が付けられている。こちらもまた烏丸線からの乗り入れ。今日、このタイプと旧型車が併結した場面は何度も見たが、シリーズ21だけで組成された列車はこの1本だけだった。
続いて、特急列車たち。Aceもビスタカーもすっかり新しい塗装となった。もう少し早く訪れていれば、車種だけでなく様々なカラーリングを楽しむことが出来ただろうなぁ。
最後に、おなじみの8400系。京都方にシリーズ21をくっつけてやって来た。こういう時代を超えた併結が見られるのも近鉄の魅力である。
―つづく