PENTAX KP + smc PENTAX-M 50mm F1.7
F5.6 1/500 ISO-100
大阪・京都に済む人々（いわゆる府民）にとって、琵琶湖は古くから特別な存在のようである。かつて京津線を走っていた電車には「びわこ号」の愛称が与えられていたことからも、その事実をうかがい知ることができよう。
「びわこ号」の登場は1934年。新幹線の登場まではあと30年かかるし、旅客機もまだ飛んでいなかった時代である。つまり、長距離移動のハードルは今日よりもはるかに高かったわけで、そう考えると、電車1本で気軽に日帰りで行ける雄大な湖は、都市の喧騒に住まう人々にとって、絶好のレジャースポットだったに違いない。
ところで、琵琶湖に注ぐ架線の数は実に119本にもなるらしい。しかし、流出する架線は瀬田川の1本のみ。「琵琶湖の水を止めるぞ！」というのは、滋賀県民が府民を相手によく冗談で口にする脅し文句だが、もし本当に瀬田川の流れを止めてしまえば、一番怖い思いをするのは滋賀県民なのである。
