若手おいさんの日記

よく食べ、よく飲み、マイペースで生きましょう。

210221_桃太郎を瀬田川で

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RICOH GR III

F6.3 1/1000 ISO-200

 童話の桃太郎について調べていてこちらにたどり着いた方には、本当に申し訳ない。

 この記事で取り上げる“桃太郎”とは、JR貨物の所有する直流機関車EF210のことである。このことを冒頭でお断りしておきたい。

 EF210とは、国鉄時代に開発されたEF65形・EF66形といった古参の機関車たちの老取目的で、平成8年から令和を迎えた今日に至るまで製造が続くロングセラーである。そんなEF210形のオフィシャルな愛称が“桃太郎”であり、これは同機関車が岡山機関区に配置されたことと、大きな牽引力を備えていることに由来するものだ。

 中でも300番台は最も新しい部類であり、外観上の特徴としては写真のように金帯を巻いていること、機能上の特徴としては連結器の緩衝能力が他の番台よりも高いことが挙げられる。ちなみに、連結器に上記の特徴を備えるに至った理由は、山陽本線の難所とされる瀬野~八本松の急勾配区間において、上り貨物列車を最後尾から押す役割(これを本務機に照らして補機と呼ぶ)を担うことが想定されているからである。この任には、EF67形という広島らしい紅葉色をした国鉄型の機関車が充当されていたが、こちらも老朽化が進み、EF210形によって置き換えられることになった、というわけである。

 しかしながら、今やその役割は補機に留まらず、こうして一列車の先頭に立って走る姿を見る機会も増えてきた。車両の共通化を進めることで、オペレーションとメンテナンスの効率化を図ろうとするJR貨物の狙いが垣間見える。

 そういうわけで、殊東海道本線においては何も珍しくないEF210形であるが、これもいずれは追いかけられる対象になる。「あの頃は良かった」となる前に、その日常的な姿を写真に収めていきたいと思う。