F5.6 1/1250 ISO-100
ドクターイエローが上っていくというので、今朝おじさんは早く起きた。酷暑が予想されるものの天気が抜群に良いので、夏らしい光線と鮮やかな黄色を絡めたくなり、西を目指すことにしたからだ。
やって来たのは西明石駅。最寄り駅から新快速を使っても1時間半を要する小旅行である。到着すると、すでに同好の志が何人かスタンバイしていた。久しぶりに訪れるので、光線を見ながらアングルを探す。今日は編成をメインにするつもりだった。
しかし、下りホームから望む博多方の景色を見て気が変わった。揺らめく陽炎で曖昧になった青空。そこに向かって高架線が伸びて行く。彼方からやって来る列車は、まるで夏の幻の中から飛び出してくるかのように見えた。この感動を伝えたい。
やがて時間になる。滲む空気の向こうに一際眩しい前照灯が見えた。鮮やかな黄色を纏った新幹線は、まるで特別な光の矢ようにして、熱せられた空気を軽やかに貫いて行った。
