各局のニュースでも取り上げられているように、毎年この時期には多くの人でごった返す地方の大駅も、ずいぶん閑散としているようである。日本人が脈々と続けてきた慣習も、ウイルスという自然の摂理の前にはお休みするしか無いのである。
そういう状況なので、私もこの連休中は極力近場で過ごそうと考えていたところ、近鉄がステキな企画きっぷを売り出していることを知った。
近鉄の営業エリアを奈良と三重の県境（三本松と赤目口の間）で東西に分け、その西半分は1,000円で、東半分は1,500円で1日乗り放題になる、というわけだ。別途特急券さえ買ってしまえば、特急列車にだって乗ることができる。
インパクトのある価格で日帰り旅行需要の喚起を狙ったものと見られるが、これにより利用者が増えすぎてしまうのも近鉄は望んでいないだろうし、まさに“ヤマアラシのジレンマ”である。きっとお盆期間に走る特急列車の予約状況等を勘案し、思い切ったゲキヤスきっぷを売り出しても問題無かろう、との結論に達したものと推察する。
ちなみに、このきっぷで有効区間外へ乗り越してしまうと、近鉄の規程により回収されてしまうので注意が必要である（Cf.『企画乗車券類利用規程』第9条第1項）。この手のきっぷを使う際には、必ず事前に利用条件を確認しておいた方が良い。義務教育でも教わったように、それが消費者としての務めである。
･･･さて、この強い武器を入手した私は、以前から行ってみたいと思っていた撮影地を訪れてみることにした。今回はこのステキなきっぷとそれを使った移動の道中で目にしたシーンのカットをご紹介に留めることとし、撮影地での釣果はまた別記事で取り上げることにしたい。
RICOH GRII
F5.6 1/180 ISO-100
つづく
